琉球大学 観光産業科学部
准教授 井川 浩輔
今、高等教育において必要とされているのは、「理論と実践を融合する場」である。しかしながら、このような「場」を創出することは理想ではあるが、現実的には決して容易なことではない。例えば、大学では講義という「場」において様々な理論を学習するが、その理論を本当の意味で実践できる「場」はまだまだ限られている。もちろん、授業の中でロール・プレイなどの手法を用いて「実践体験」への接近を試みるものの、その体験と「現実的実践」の間には大きな隔たりがあろう。
「学P沖縄リーグ」は、まさに「現実的実践」そのものである。弁当などの企画やテレビCMの作成は「現実的実践」の輝かしい構成要素であり参加者はこれらに魅了されるが、それ以上に現実的なものはマーケットからの直接的なフィードバックであろう。販売数といった量的な情報や、弁当を手に取ったお客様の行動や表情といった質的な情報に参加者は痺れる。
大学における理論的学習と「学P沖縄リーグ」における「現実的実践」が融合する瞬間、社会におけるその教育効果は最大化されるといっても過言ではない。